世界最大規模を誇った中米プエルトリコの「アレシボ望遠鏡」が大崩壊。思い浮かんだのは「はやぶさ」だった──。「はやぶさ2」の帰還を前にその役割を終えたアレシボ望遠鏡が、はやぶさプロジェクトに果たした大きな貢献とは? 『小惑星探査機はやぶさの大冒険』 『小惑星探査機はやぶさ2の大挑戦』 『スーパー望遠鏡「アルマ」の創造者たち』などの著書があり、はやぶさプロジェクトを間近で見続けてきたノンフィクション作家の山根一眞氏が解説する。(JBpress)
【本記事は多数の図版を掲載しています。配信先で図版が表示されていない場合はJBpressのサイト(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63158)にてご覧ください。】
小惑星「リュウグウ」で採取したサンプルを格納した「はやぶさ2」のカプセルが豪州のウーメラ砂漠に着地する予定日まで5日を切った2020年12月1日、火曜日の夜8時52分42秒(日本時間)、半世紀にわたり世界最大規模を誇ったプエルトリコのアレシボ電波望遠鏡が突然の事故で崩壊した。
ダメージはきわめて大きく修復、再稼働は不可能となった。
巨大すぎて地上に固定されたパラボラ
カリブ海にある鹿児島県とほぼ同面積の島国(米国自治連邦区)、プエルトリコ。