表向き、警察は「コロナ防疫を妨害し、感染を広げる恐れがある」との理由で集会を禁止したが、狙いはもちろん抗議活動を封じることだ。市民がたくさん集まっていた遊園地などでは何の規制もなかったのが何よりの証拠だろう。

 集会を計画した複数の市民団体は、「これは防疫のためではなく文在寅政権を守るため、批判を封鎖するという意味だ」と反発した。政権批判を封じるためには、そこまでしなければならない状況とも言える。

政権幹部らの不正捜査に圧力?

 強権力を使った文政権守護の動きは、集会禁止にとどまらない。それは検察権力への介入による政権への捜査妨害という形で露骨に行われている。

 韓国では現在、巨大な投資詐欺事件が大きな関心を呼んでいる。被害額が1兆6000億ウォン(約1480億円)と推定されるライム資産運用事件と、同5000億ウォン(約460憶円)とされるオプティマス資産運用事件だ。ところがこの事件を捜査してきた文在寅政権下の検察がずさんな捜査をしていたのではないかとの疑念が持たれているのだ。

 実は両事件とも、青瓦台や与党の中心人物たちの関与を巡る疑惑を裏付ける陳述、資料が早々に確保されていた。

 ライム資産事件では、問題を起こしたファンドの会長が裁判所に出廷し、「姜ギ正(カン・ギジョン)元青瓦台首席秘書官に渡すようにと会社役員に5000万ウォン入りのショッピングバッグを手渡した」と証言している。

 オプティマス資産運用事件でも「政府および与党関係者がプロジェクトの収益者として一部参加」したという。ところが、こうした数々の疑惑が、検察の指揮系統に配置された文政権に近い幹部たちによって、それぞれ数カ月の間に握りつぶされていた状況が次々に明らかになっているのだ。

 秋法務部長官は今年初めに長官に就任して以降、合計4回の人事異動を実施し、ソウル中央地検と東部地検・南部地検・北部地検・西部地検の主な事件指揮ラインに「親文」の検察幹部を配置してきた。これが結果的に捜査の広がりを抑えたと言われている。

 秋人事は、秋長官の息子による軍休暇未復帰に関する不正事件も不起訴にする決定をもたらしている。韓国の司法は、今や政権幹部の意のままになる存在でしかないのだ。