このように、トヨタはトヨタグループ車の中古車流通網を強化する体制を着々と構築しているのだ。

車は「オンラインで購入」が当たり前に?

 2000年代後半、スマートフォンが登場した際、経済界では「今後、スマホ経由のオンラインショッピングが盛んになっていくだろう」と予測された。実際、2020年時点で、衣料品、食品、電化製品などをスマホから購入することはもはや当たり前である。

 一方、クルマは、新車の場合は「販売店の業態を崩すから当面実施は難しい」と言われた。また中古車については「車両の状態に大きなバラツキがあるため、契約前に実車確認が必須。オンライン販売はやはり難しい」と指摘する声が多かった。

 それがここへ来て、新車シェアの約半数を押さえ圧倒的に市場を占有するトヨタが、他メーカーも巻き込みながら、まずは中古車から、そして新車へとオンライン販売推進へと大きく舵を切った。

 実施に向けて数年間の準備期間があったとはいえ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で人々のオンライン販売への心理的ハードルが今まで以上に下がったことの影響は大きい。今回のコロナ禍を機に、自動車流通のオンライン化・デジタル化が一気に進む可能性が出てきた。

 すでに、トヨタに限らず中古車販売の世界では、購入希望者が販売店の店員と、メール・SNS・オンライン会議システムなどを使って交渉し、納車まで一度も店を訪れないケースが増えている。その流れは、間違いなく新車にも及ぶだろう。

 もしかすると2030年代には、新車のオンライン購入は世の中の常識になっているのかもしれない。