経済、外交・安保といったど真ん中の議論は前日の共同記者会見でも戦わされ、すでに報道されているので、ここでは3候補の人柄がにじみ出た青年局、女性局らしい質問に絞ってお伝えしよう。

地元では慕われていた「悪者」光秀

 一番面白かったのは青年局の学生党員がしたこの質問に対する3候補の答えだった。

——歴史上の人物に例えると、自分は誰に似ていると思いますか?

 無難にいなしたのが菅氏。

「学生時代はあんまり勉強しなかったが、歴史物は大好きでよく読んだ。歴史上の人物から学ぶくことはたくさんあるが、自分はどの武将に似ているか、という質問に答えるのは難しい」

 強引に自分の土俵に引っ張ったのが岸田氏。

「我慢強く、辛抱強くという意味では徳川家康に共感していた時期もあるが、今は変革の時なので政治家としては池田勇人でありたいと考えている」

 池田勇人が「歴史上の人物」かどうかはさておき、自らが会長を務める宏池会の設立者を持ち出した。

岸田文雄政調会長

 会場の度肝を抜いたのは石破氏だ。

「鳴かぬなら殺してしまえ(織田信長)、はまずいと思う。鳴かせてみよう(豊臣秀吉)として、鳴くものか?鳴くまで待とう(徳川家康)と悠長に構えてもいられない。鳴かぬなら逃してしまえと言ったのが(明智)光秀だ。石田三成とともに、歴史上は負けた相手によって徹底的に悪者にされているが、実は二人とも地元では大変に慕われている。歴史を変える役割を果たすのはこうした人たちかな、という気もしている」

 新しい光秀像を描こうとしている大河ドラマ『麒麟が来る』にうまく便乗し「本流にはなれないかもしれないが、歴史を変えるのは自分」という自負をのぞかせた。

 この質問に対する回答も面白かった。

——日本のどこが好きか。

岸田氏「外務大臣として外から日本を見てきたが、日本はホッとする国。みんなで助け合い、皆が子供、孫の将来まで思いを巡らす国だと思う」

石破氏「保守とはイデオロギーではなく感性。皇室を尊び、家族、祖先を大切にする。ふるさと鳥取を心から愛している」

菅氏「秋田で生まれ高校まで秋田で育った。人間として育てられたのが秋田で、政治家として育てられたのが横浜です。こうした地方こそが日本の魅力だ」

菅義偉官房長官