日本のエネルギー安保を考慮すれば、エネルギー供給源の多様化が必要です。その意味では国産原油も一つの選択肢ではありますが、前提はあくまで経済性のある油田・ガス田開発になります。

 冒頭の「採算がとれなければ輸入すればよい」というコメントは正しい認識です。

 現在、油価は1バレル(約159リットル)40ドル程度で推移しており、ガス価格も低迷しています。

 石油(原油と石油製品)は世界中で有り余っており、備蓄タンクはほぼ満杯状態です。

 今回の茨城沖合の油田・ガス田の話は、現時点では第1段階の中の事前調査段階です。

 油兆・ガス兆があるかどうかは実際に試掘井を掘削しないと分かりませんが、現在の油価・ガス価格・環境問題・漁業補償問題なども考慮すれば、恐らく経済性のある鉱区にはなり得ないと考えます。

 K.マルクス曰く、「一匹の妖怪がヨーロッパを徘徊している。共産主義という名の妖怪が」。

 本件に関わるテレビ放送を見るにつけ、「一匹の妖怪がテレビ界を徘徊している。海底油田という名の妖怪が」と言わざるを得ません。

「夢」を「夢想」にしないためにも、もう少し客観的な報道があらまほしきことなりですね。