他の候補の中には、ケイシャ・ランス・ボトムズ(50歳)のようにアトランタの現職市長もいるが、その経験は、ハリスが司法長官を務めたカリフォルニア州のような大都市でのものではない。そのため、行政経験で言えば、ハリスのほうに分があるのだ。

急浮上してきたスーザン・ライス

 そうした中、この3週間ほどのうちに急浮上してきたのが元大統領補佐官のスーザン・ライス(55歳)だ。彼女の経歴は、まずクリントン政権で、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)の上級スタッフを務めた後、アフリカ担当の国務次官補を務めた。さらにオバマ政権では、国連大使と国家安全保障問題担当の大統領補佐官を歴任してきた。

 つまりそれぞれ2期8年あったクリントン政権とオバマ政権の計16年、民主党政権の中枢で行政を担ってきた経験がある。選挙の洗礼を受けた経験はないのが弱点ではあるが、十分な知見、キャリア、能力がある。そこでライスが副大統領候補に急浮上してきたわけだ。

 では果たして誰がバイデンの副大統領候補となるのか。バイデン自身は8月第一週には発表すると明言している。

 ワシントン在住の私のディープスロートによれば、バイデンの胸中はすでに決定しておおり、それを知らされているのは彼に寄り沿う3人の女性だけだという。ジル夫人、妹のヴァレリー・バイデン・オーウェンズ、そして選対責任者のジェン・オマリー・ディロンだ。妹のオーウェンズは、有名な人権活動家でもあり、バイデンの“裏選対”的役割も担っている。

 そして、私が見るところ、彼女らに打ち明けられている名前は、「スーザン・ライス」である可能性が極めて高い。というのも、ライスの最大のライバルであるハリス自身、民主党の予備選でバイデンと争ってきた。その過程で彼女は、「バイデンはかつて人種差別的な発言をしてきた」と執拗に攻撃していた。それをジル夫人と妹のオーウェンズは未だ許していないのだ。