今年秋のアメリカ大統領選挙で、民主党の候補者となることが確実視されているバイデン氏の優勢が伝えられている。そこで注目されているのが、副大統領になるのは誰か、だ。最近になって急浮上しているのがクリント政権やオバマ政権で要職を務めたスーザン・ライス元大統領補佐官(国家安全保障担当)だ。だがこのライス氏、「中国に優しく日本に厳しい」人物で、かつて日本政府は対応に苦慮した相手だ。もし彼女が副大統領になると、日米関係はどうなるのか。国際情勢に精通するジャーナリストの歳川隆雄氏に解説してもらった。(JBpress)
副大統領候補の条件は「女性」で「有色人種」で「確かな行政経験」
(ジャーナリスト:歳川 隆雄)
今年11月に予定されているアメリカ大統領選挙。現時点では各種調査を見る限り、民主党からの候補指名がほぼ確実なバイデン元副大統領が、現職のトランプ大統領を大きくリードしている。現時点で大統領選挙が実施されれば、バイデンの勝利はほぼ確定的な情勢だ。
そうした中で注目されているのが、バイデンの副大統領候補選びだ。現在77歳のバイデンがもしも大統領選挙に勝利すれば、来年1月の就任時点で、史上最高齢の大統領となる。健康問題への懸念が払しょくされることはまずない。そして大統領の健康に万一のことがあれば副大統領が大統領職を継承することになる。だからバイデンの副大統領候補選びは、いつも以上に注目されているわけだ。
バイデン自身は副大統領候補について、「女性から選ぶ」と明言してきた。またバイデン氏は副大統領候補を有色人種から選ぶとも見られている。そうしたことから、この条件に合う人物の名前がこれまでに10名ちかく、取りざたされてきている。
その中で、世論調査で常に上位に食い込み、本命視されているのが、カマラ・ハリス上院議員(55歳)だ。ジャマイカ人の父とインド人の母を持つ元検事の彼女は、カリフォルニア州の司法長官を務めた経験を持つ。そうした行政経験が、「万が一」の場合も考慮に入れなければならない今回の副大統領候補選びで評価されているのだ。