(イラスト:近藤慎太郎)

(近藤 慎太郎:医師、漫画家)

日本人は睡眠時無呼吸症候群になりやすい

 前回は睡眠時無呼吸症候群(以下、SAS)について解説しました。SASは太っている人に多いというイメージがありますが、日本人の場合、中肉中背や痩せ型であっても、顔の骨格の問題でSASになりやすいことが分かっています。

 SASによる日中の眠気は、ビジネスパーソンの生産性に深刻な影響を及ぼします。いびきなどSASを疑う症状のある方は、医療機関を受診するようにしてください。

 さて、今回はそんな「仕事の生産性」について、さらに詳しく解説していきます。睡眠と生産性はどう関係するのか。たとえば、生産性を議論するうえでよく言及される「朝型」と「夜型」という使い分けもあります。これは、何が原因で決まっていくものなのでしょうか。

「できるビジネスパーソンは朝型で、早朝からバリバリ仕事をこなす」とか、「クリエイティブな仕事は脳のゴールデンタイムである午前中に行う」といった記事を、みなさんもどこかで読んだことがあると思います。

 確かに、できる人は明け方に起きて、なんならジョギングなどでひと汗かいて、会社(もしくはリモートワークなら自宅)で、早い時間からすべての能力をフル活用して仕事をしている・・・というイメージがあるかもしれません。

 でも、そんなイメージはどこまで医学的に妥当なことなのでしょうか。努力次第で誰にでも適用できるような、普遍性の高いイメージなのかどうか、検証の余地がある様に思います。ちょっと立ち止まって考えてみましょう。