*写真はイメージ

(篠原 信:農業研究者)

 子どもは学ぶのが大好き(実は大人も)。ところがあるときを境に、多くの子どもが勉強嫌いになってしまう。その「とき」とは。そう、小学校入学。

 入学式では「べんきょうがんばります!」と意気揚々と宣言していた子どもたちが、小学校に入学して1、2年もすると勉強嫌いになっていく。学年が進めば進むほど、勉強嫌いの数は増えていく。

 その最大の原因はおそらく、提出義務のある宿題だろう。

宿題は「勉めて強いられる」の象徴

 多くの親御さんは、マジメ。だから、宿題が学校から出されると、なんとしても子どもにさせなければ、と身構える。

 子どもが帰宅すると「宿題は?」。子どもは楽しいことが大好き。気が進まないことはスルー。アマノジャクでもあるから、親が勧めることはとりあえず先延ばし。しばらくして「宿題は?」。もうしばらくして「宿題は?」。どんどん先延ばし。ついに親の堪忍袋の緒が切れて、「いい加減に宿題しなさい!」。子どもは強制に対して最後まで抵抗。ついに陥落して、宿題をする羽目に。

 こうしたことが重なって、宿題に象徴される勉強(勉[つと]めて強[し]いられる)が嫌いになる。嫌いになれば、気が進まなくなる。気が進まなければ、イヤイヤだから全く頭に入らない。

 宿題は、反復練習を重ねることで知識を頭に定着させるのが狙いだが、イヤイヤやっているものは全く身につかない。イヤでイヤで逃げたくて仕方がないから、済んだらきれいさっぱり忘れて、楽しいことだけを考えたくなる。

大人が驚かないと子どもはつまらない

 では、なぜ子どもは宿題をしようと思わないのだろうか。「驚かない」からだと私は考えている。子どもが宿題をしたことに、教師も親も驚いてくれないから。