その上、少子化が進み、企業と自衛隊は若者を奪い合っている状況です。たとえ給料を2倍にしたところで、希望者が2割も増えることはないでしょう。むしろ、パイロットは減少せざるを得ないとみなければなりません。

 つまり、F-2後継は、どのような機体になるにせよ、国産か輸入かにかかわらず、大型で強力な機体とし、少数による質で勝負するしかないのです。

日本もアメリカも抱えるF-15後継問題

 また、今後のF-2後継機開発の展望を考えるにあたっては、同時期に運用されている他の機種との兼ね合いも重要です。

 識者の中には「日本には戦闘機の長期的な配備計画がない」と言う人もいますが、何もないわけではありません。主に政治的な理由で変動を余儀なくされ、あまりにも当てにならないから示していないだけです(ただし、当てにならず、ほぼ願望に過ぎないものであっても、将来的な配備計画は示すべきだとは私も思います)。

 航空自衛隊が運用する戦闘機の配備状況と計画を以下の図にまとめてみました(拡大してご覧ください)。

航空自衛隊が運用する戦闘機の配備状況と計画
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 空自戦闘機の配備計画を考える上で、読者の皆さんに覚えておいていただきたいことが1つあります。それは、空自の「F-15」(米マクドネル・ダグラス社/現ボーイング社開発)には、事実上、2機種あるということです。

 1つは、初期に納入され、中期防衛力整備計画(中期防)で「近代化改修に適さない」とされ、ほとんど改修されることなく原型を保ったままのF-15(Pre-MSIP)機。もう1つは、後期に納入され、その後、度重なる近代化改修を施され、第4世代戦闘機から4.5世代戦闘機にアップデートされているF-15(J-MSIP)機です。両者は、見かけ上は同じF-15なのですが、戦力として考えると全く別物です。

 ネット上では、「F-4」(米マクドネル社開発)が“F-4おじいちゃん”などと揶揄されています。しかし実はF-15(Pre-MSIP)機も戦力としては同等です。機体性能はF-4よりも上ですが、搭載電子機器などは大差なく、戦力として考えるとそれほど大きな差はないのです。このことを踏まえたうえで、本題に戻りましょう。

 F-4後継が定まるまでは、日本の戦闘機将来配備計画は混沌としていました。しかし、F-4の後継が「F-35」(米ロッキード・マーティン社が中心になって開発)と決定されたことで、当時は明示されていないながらも、将来計画は、F-2後継を除きほぼ自明のものになりました。

 平成30年度までの中期防では「検討を行い、必要な措置を講ずる」とされていたF-15 Pre-MSIPについても閣議決定を受け、新中期防ではF-35に代替を進めると定められました。これで、当面の空自戦闘機は、F-35、F-15(J-MSIP)、F-2の3機種となることが定まりました。F-4とF-15 Pre-MSIPは後継機をF-35に一本化しないと、同時期に4機種、更新期間中は事実上5機種もの機種を運用せざるを得なくなるところでした。