この状況で検討されるのがF-2後継というわけです。図を見ても分かるとおり、F-2に後継が必要とされる2030年代には、F-15(J-MSIP)も、相当古くなっています。

 アメリカでは、F-15は、基本設計が良かったためなのか、設計寿命とされた飛行時間8000時間を超えても運用可能だとみられる機体も多く、寿命が1万時間に延ばされた機体もあります。そのため、日本での運用も、2030年代でも可能だとは見られます。ですが、“飛べる”と“戦える”は違います。たとえ運用できたとしても、戦闘正面とは別方位の警戒や後詰めに留まるでしょう。現在のF-4のようなポジションとなります。2030年代では、まともに戦える機体は、F-35のみという事態が予想されるのです。

 戦闘機の配備では、機種ごとの不具合発生による飛行停止措置が執られる危険性があるため、通常は、複数の機種を配備します。ところが、機種が増えれば、整備や補給、それに教育などで余分なコストがかかることになります。F-35、F-2後継、F-15(J-MSIP)後継の3種維持など、財政的に苦しくなることが予想される中では、難しいと言わざるを得ないでしょう。おそらく、どこかの段階でF-2とF-15(J-MSIP)の後継一本化が図られると思われます。そうなれば、現在検討されているF-2後継機の調達数は、90機から倍増することになります。

 さらに、このF-15後継という問題は、日本だけでなくアメリカでも同じだという点を、認識しておかなければなりません。

 アメリカは、F-15とF-16のハイローミックス(高額・高性能の機種と低額・低性能の機種を組み合わせて配備すること)をF-22とF-35のハイローミックスとすることを考えていましたが、予算の問題などからF-22の調達を少数で止め、不足分をF-15E(F-15の改良・派生型)などで埋める方針です。F-22の後継もいずれ必要となってきますが、それ以前に、2030年代にはF-15Eの後継問題が、アメリカにとって重大な問題となります。

 ここで注目すべきは、防衛省がF-2後継として打ち出している機体への要求です。大型で武器の搭載量が多く、長い航続距離を持つマルチロール機。これは、まさにF-15Eと同じです。

 筆者は、防衛省が実際に目指しているのは、このF-15E後継機をアメリカと共同開発することではないかと考えています。

 もちろん、それは容易ではないでしょう。だからこそ、今の段階で大きく出ることも必要です。それが“我が国主導”の開発方針なのではないでしょうか。

 各国も、同じエサ場を狙っています。イギリスのテンペスト、フランスのFCASなども同じ狙いを持っているでしょう。F-2後継問題はまだスタートしたばかりで、将来は混沌としています。そして、パートナーが誰になるにせよ、今の段階で強い姿勢で交渉に臨む必要があります。そのために“我が国主導”開発方針をはっきりと打ち出す必要があるのです。