ただし、感染爆発させずに、ゆっくりゆっくりと感染者が出てくるのであれば、医療機関はパンクせず、その時々の重症者に適切な医療が提供できます。そうやって時間稼ぎをしている間に、ワクチンなり治療薬なりが出てくれば、それが現状ではベストのシナリオです。

 そのことは、そもそも当初から想定されていたことでした。それを示唆するグラフがこちらです。

 これは、令和2(2020)年2月23日に開催された第12回新型コロナウイルス感染症対策本部で提示されている資料です。

 タイトルは「新型コロナウイルス対策の目的(基本的な考え方)」です。

 感染爆発した高い山ではなく、低い山になるように努力しましょうという趣旨です。ご覧の通り、高い山と低い山の「面積(つまり患者数の総和)」は、極端には変わりません(多少、低い山のほうが小さいですが)。

 これは、医療崩壊させないための時間稼ぎが重要であって、感染から完全に免れることがそれなりに難しいことを反映しているのでしょう。私は妥当な表現だと感じます。

 ところが、「新型コロナウイルス対策の目的」でググっていただくと、初めの方に出てくる画像は下記のものがほとんどです。

 一見同じですが、微妙に違うのがお分かりでしょうか。