4月8日、都市封鎖が解除され、列車の運行が再開された中国・武漢市の漢口駅の様子。駅前には銃を携行したマスク姿の武装警察の姿も(写真:AP/アフロ)

「このペースで感染が進めば、1週間後には1万人、1カ月後には感染者数が8万人を超えることになります・・・」

 4月7日夜に安倍晋三首相が深刻な顔で緊急記者会見を行い、8日午前0時、日本で緊急事態宣言が発効した。欧米諸国ではとっくに緊急事態宣言が出されていて、日毎、感染者数と死者数が量産されているのは周知の通りだが、ついに日本にも「感染の津波」が襲ってきたのだ。

 だが、隣の中国では、8日は「解放記念日」となった。1月23日から「封鎖」されていた湖北省の省都・武漢が、75日ぶりに封鎖を解かれたのだ。8日0時をもって、武漢の高層ビルのライトアップが行われ、「人民是英雄」(人民は英雄)などの光の文字が描かれた。「引きこもり」状態に置かれていた900万市民は一斉に歓声を上げ、街を流れる長江に浮かんだ船は汽笛を鳴らした。

通常に戻りつつある武漢

 高速道路も、午前0時をもって開通した。早くも料金所ゲートには、ヘッドライトを付けた車列が続いた。武漢の高速道路では、今後一週間で約180万台の通行が見込まれるという。

 武漢の武昌駅にも、広州からのK81列車が、8日0時50分に到着。39人の乗客が降車し、改札口で待ち受けたカメラマンのフラッシュを浴びた。中央電視台(CCTV)のニュース映像で見る限り、人々がマスクを付けていることを除けば、駅舎は通常の状態に戻りつつある。

 武漢北郊の天河国際空港も、空港へ向かう道路の封鎖が解かれた。8日には約200機、1万人が乗降する予定という。