3月16日、予想していたとはいえ、まるで床が抜けたような中国経済の現状が明らかになった。この日、中国国家統計局の毛盛勇・国民経済総合統計局長兼報道官が会見に臨み、1月~2月の主要経済統計を発表したのである。
毛報道官は、まずはいつものように威勢よく語った。
「1月~2月、突如として新型コロナウイルス肺炎の疫病に直面することになったが、習近平同志を核心とする党中央の堅強な指導の下で、各地域各部門が統合的な疫病防止と経済社会発展の各種業務を推進し、全力で疫病防止の総合戦、防衛戦に取り組み、段階的に重要な成果を得た。各種の政策、措置が作用したことで、企業の『復工復産』(工業と産業の復興)は非常に早く進み、生産生活秩序は徐々に回復。国民経済は、秩序ある運行を実現し、基本的な民生は効果的な保障を得るに至った」
だが、威勢がよかったのは、この前口上までで、具体的な統計数値を読み上げる段になると、まるで借りてきた猫のようになった。
マスクやカップ麺の出荷増をことさら強調
「1月~2月の工業増加値は、前年同期比で13.5%減だった。企業形態別には、国有企業が7.9%減、民営企業が20.2%減、外資系企業(香港・マカオ・台湾を含む)が21.4%減だ。業態別には、採鉱業が6.5%減、製造業が15.7%減、電力・熱力・水関連が7.1%減だ。
産品別には、マスクが127.5%増、アルコール消毒類が15.6%増、冷凍肉が13.5%増、カップ麺が11.4%増だ。スマートウオッチも119.7%増、スマートバンドが45.1%増、半導体ディスクリートデバイスと集積回路も31.4%増だった。
2月25日までで、大型・中型の製造業企業の復興率は85.6%に達し、生産経営活動は正常に秩序を持って回復している」
マスクだとかカップ麺だとかを、ことさら強調していたが、詳細な産業面での数値を見ると、まさに総崩れである。例えば、産業の基盤である電力の生産量は、8.2%も減っている。