ロイター通信によると、米国の米上院議員5人が4月8日に米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)に質問書を送った。
新型コロナ懸念で物流施設の閉鎖を要求
これに先立つ3月30日、ニューヨーク・スタテン島にあるアマゾンの物流施設で数十人の従業員がストライキを実施したと伝えられたが、その主導者をアマゾンが解雇した。これを巡り、議員らは解雇に至るまでの経緯を時系列で説明するよう求めた。
解雇された従業員はクリスチャン・スモールズ氏。同施設で他の従業員に新型コロナウイルスの陽性が確認されたことを受けたもので、スモールズ氏らは職場環境の透明性の欠如や安全対策の不十分さ、リスクに対する賃金の低さを訴え、アマゾンに施設の一時閉鎖を要求した。
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「ストライキの権利は我々の社会の根幹を成すもの」
ただ、従業員とアマゾンの言い分は食い違っているという。アマゾンによると、「スモールズ氏が感染者と接触したため、2週間の有給自宅待機を指示した。しかし、それを無視して出社した」という。
従業員に義務付けている「ソーシャル・ディスタンシング」(社会的距離)規則に違反しため、解雇したと同社は主張している。
議員らは4月8日に送付した質問書で、メディア報道を引用して次のように指摘した。
「スモールズ氏が感染者と接触したとされるのは3月11日。これにより、自宅待機の期限は3月25日ごろになる。スモールズ氏がストライキに参加したのは、その5日後の3月30日だ。問題ないのではないか」
議員らは書簡で「ストライキの権利は我々の社会の根幹を成すものだ」とも指摘している。