米アマゾン・ドット・コムが会員向けの年次大型セール「プライムデー」の延期を検討していると、ロイターが4月3日に報じた。
ロイターが入手したアマゾンの幹部会議の文書で分かったという。毎年7月に開催しているが、今年(2020年)は8月以降になる見通しだとしている。
昨年の世界総販売額7800億円
プライムデーは売り上げが落ち込む夏場の販売促進策として2015年に始まった。当初は24時間のイベントだったが、その後時間を拡大し、昨年は48時間開催。開催国は、米国やカナダ、英国、ドイツ、フランス、インド、日本、中国、オーストラリアなどの18カ国に拡大した。
アマゾンによると昨年は、2日間の売上高が「ブラックフライデー」(年末商戦の初日)と「サイバーマンデー」(翌月曜日)のそれまでの販売実績を上回った。このイベントは有料会員「プライム」の新規加入者獲得にも貢献しており、昨年は初日の申込みが1日の件数として過去最多となり、翌日もそれに次ぐ件数があった。また、期間中、世界で1億7500万個の商品を販売したという。
アマゾンは毎年このセールの売上高など、業績結果について具体的なことを明らかにしない。しかし、ネット通販業界の専門誌インターネットリテイラーは、昨年の世界総販売額が前年比70%増の71億6000万ドル(約7800億円)に達したと、推計している。
ネット通販需要急増で物流に行き詰まり
米ニュースサイトのビジネスインサイダーによると、アマゾンは前週まで、例年通りプライムデーを7月に開催する予定で準備を進めていた。出品者には参加登録を促し、商品をアマゾンに出荷するよう指示していた。