(写真:UPI/アフロ)

(尾藤 克之:コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員)

 新型コロナウイルスは私たちの生活を不安のドン底に陥れています。10日時点、感染者数は全世界で10万8393人、死者は3795人、日本の感染者数は514人、死者は9人です。一向に猛威が衰える気配がありません。

 安倍政府は「危機管理に強い」と言われていました。有事に即応できる危機管理力を重視してきたと思われていたわけですが、新型コロナの一件で、その評価に疑問符が付けられ始めています。政府は新型コロナ対応の初動が遅れたことについて、国民からの厳しい目に晒されているのです。

閣議決定とはどのようなものか

 政府は10日、新型コロナウイルス感染症を新型インフルエンザ等対策特別措置法の対象とする同法改正案を閣議決定しました。11日に衆院内閣委員会で審議入りし、13日の参院本会議で成立する方向です。改正案が成立すれば14日にも施行される見通しです。

 メルカリは10日、新型コロナウイルスの感染拡大にともない、政府がマスクの高額転売を禁じる政令を閣議決定したことを受け、マスクの出品を13日から一律禁止すると発表しました。罰則は1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金を課す内容です。

 また、Facebook、Instagramもマスクの広告や販売を禁止します。非常事態を利用して利益を上げようとする人への対応策であり、広告禁止処置は、数日中に適応されます。

 これらのニュースに共通するのが「閣議決定」のワードです。では、この閣議決定にはどのような意味があるのでしょうか。政府の意思決定の会議のことを閣議といいます。首相、すべての閣僚の意思決定手段のなかで、最上位に位置づけられるのが「閣議決定」です。