(朴 承珉:在ソウルジャーナリスト)
北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が、もう19日間も姿を現していない(2月13日時点)。1月25日に三池淵(サムジヨン)劇場でのお正月を迎える記念公演を鑑賞して以来、公式の席に出てきていないのだ。
実は金委員長、今年1月初めに平壌の烽火(ボンファ)診療所で狭心症の手術を受けたという。
「中国の人民解放軍301病院の心臓専門医が平壌に入ってきて手術をしたと聞いた」(安燦一[アン・チャンイル]世界北朝鮮研究センター所長)
この時、ステント挿入手術も一緒にした模様だ。
金委員長は肥満が進んだ上に、最近では相当なストレスを抱えているという。そのいずれもが心臓に大きな負担をかけているのだろう。また、金日成(キム・イルソン)主席の死亡原因が心筋梗塞と発表されたことを考えると、循環器系の疾患は遺伝性かも知れない。
痩せ衰えた金正恩
1月8日、金委員長は、自分の誕生日パーティを当初、幼少期を過ごした元山(ウォンサン)の招待所で開こうとしたが断念、結局は平壌市内の「木蘭館」で幹部ら50人を招いて行った。ところがパーティに出席した党や軍部の幹部たちは大いに驚いたという。金委員長の姿があまりに痩せ衰えて見えたからだ。そのため出席者は、涙を流して「お休みになるように」と慰めの言葉を口にしたという。もしかしたらこの時期の前後に、金委員長は心臓手術を受けたのかもしれない。
しかし、誕生パーティの招待者を涙ぐませるほど、金委員長の健康を害しているストレスの元とは何なのだろうか。
アメリカによる制裁もその一つだろうが、それ以上に重くのしかかっているのは、若い世代に対する統制の問題と見てよいだろう(最近は新型肺炎の国内への感染への恐れもあるかもしれないが)。