ニューハンプシャー(NH)州の予備選で勝利したバーニー・サンダース氏(2月11日、写真:AP/アフロ)

バイデン氏、SC次第で撤退も

 米大統領選の民主党候補指名争いの第2戦、東部ニューハンプシャー州予備選が2月11日に行われた。

 世論調査ではわずかの差でリードしていた左派バーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出=78)が、最若手で中道派のピート・ブディジェッジ前サウスベンド市長(インディアナ州=38)を抑えてトップの座に就いた。

 ニューハンプシャー州に割り当てられた代議員数はたった33人。だが、勝つか負けるかは、選挙資金獲得にも響く。第一メディアの扱いが違う。

 一方、民主党主流派がそれとなく支持する中道派のジョー・バイデン前副大統領(77)は支持基盤の中道派票をブディジェッジ氏とエイミー・クロバッチャー上院議員(ミネソタ州選出=59)に奪われて5位に甘んじた。

 同氏には「過去の人」のイメージがついて離れない。「長いワシントンでの政治歴」は今や足手まといになり始めた。

 バイデン氏は22日のネバダ州党員集会投票では勝てそうにない。

 となると、起死回生のチャンスは29日に行われる序盤戦最後の南部サウスカロライナ州だ。黒人の民主党員、支持者が多い同州。

 バラク・オバマ政権の副大統領だったという「遺産」もあって黒人から支持を得ているバイデン氏だが、同州でトップに立てないような状況になると、予備選からの撤退の可能性も出てきそうだ。

 左派のエリザベス・ウォーレン上院議員(マサチューセッツ州選出、70)は「地元」の利を得て票を伸ばすと見られたが、「サンダース旋風」に吹き飛ばされてしまった。

 民主党員の投票傾向はニューハンプシャー州でもアイオワ州と同じく、左派候補(サンダース氏、エリザベス・ウォーレン上院議員)支持と中道派候補(ブディジェッジ氏、バイデン氏、エイミー・クロバッチャー上院議員)支持とに真っ二つに割れた。