(廣末登・ノンフィクション作家)
前回は、「パリピ(パーティ・ピーポー)って半グレなの」という素朴な疑問に答えるため、パリピで半グレでもあった野口和樹氏に、そのあたりの事情を訊いてみた。
(前回記事)半グレか半グレでないのか、「パリピ」の実態
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58921
野口氏によれば、「パリピとは、半グレでも反社でもない。パリピは単にパーティお祭り騒ぎを好む者たちが集まり、日夜パーティや祭りごとにいそしむ人たちの集まり」とのことだった。
実際、野口氏のグループが出入りしていた「ウルトラ・ジャパン(以下、ウルトラ)」というフェスでも、<半グレ、反社お断り>とばかりに、2回目の開催あたりからチェックが強化されたという。
<たとえば、ウルトラのVVIP(ヴィビップ)エリア入場に際して「刺青が入っている人間はNG」といった条件がつけられたり、予約の際に名刺を提出させ、その人物や会社も、信用のある有名企業以外は受け付けなかったり、という話も聞こえてきた。
ウルトラでのオフィシャルHPで「ハッピを着ての入場をお断りする・・・」という規制も始めた。ハッピを着ているのは、“パリピ”を売りにしている私たちしかいない。私たちを名指しして閉め出していることに等しかった。
ひとことで言えば、この措置は私たち「パリピ」(グループ)と、そこに連なる人脈をイベントから排除する目的だった>
これには、野口氏たちも納得がいかないようであったが、世の中の流れが「反社」に敏感になっている以上、甘受しなくてはならなかったようだ。
「パーティ・モンスター」K氏
筆者は、パリピと半グレをはじめとする反社との関係を探るべく、東京では有名なパーティ・モンスターのK氏に、2019年のハロウインで賑わう渋谷の喫茶店で質問してみた。ちなみに、K氏はシティボーイという風貌で、チャラさはなく、ツヨメでもない30代の好青年である。
――Kさんはパリピですか。私から見るとフィクサーに近く見えますが。
「まあ、半年に一日も休まずパーティやってたこともあるし(すべてを主催したわけではない)、パリピではありますが、フィクサーには、まだまだ、力及ばないですね。それは、ネットワーク力、財力などの面においてですが」
――パリピになったきっかけは。
「そもそもですが、お酒飲むようになったことと、お金と時間の余裕ができたからですね」
――それは何歳頃からですか。
「21歳の時、関西圏の地方都市から上京して水商売の世界に入ったんですが・・・音楽好きが高じて、そうですね・・・パリピといえるような活動を始めたのは28歳くらいかな」