K-POPアーティストの公演も続々中止に

 新型肺炎と中国人に対する恐怖はK-POP界にも影響を及ぼしている。

 海外コンサートに対する韓国ファンの不安が高まり、芸能プロダクションが所属アーティストたちの海外コンサートはもちろん、海外ファンの参加が予想される韓国内コンサートも相次いで取り消しているのだ。

 ハンギョレ新聞のインターネット版は、「最近、BTSの韓国ファンの間で、4月にソウルで開催されるコンサートに中国人の出入りを制限してほしいという内容の書き込みが増えている」と報じた。

 このように韓国社会で中国と中国人に対する嫌悪に近い忌避現象が拡散されていく中、文在寅政権は自制を要請するメッセージを連日のように発信している。

 例えば大統領府は、韓国メディアが新型肺炎を「武漢肺炎」と報道することに対し、対中感情の悪化につながる懸念があるとして、用語を変更するよう要請した。

「外交的波紋を考慮して武漢肺炎よりは新型コロナウイルス感染症という名称を使ってほしい」

 与党の共に民主党の李仁明(イ・インミョン)院内代表は、韓国メディアや国民に自制を求めた。

「こんな時であればあるほど韓中両国間の反感を煽る行動を自制しなければならない。中国は末永く、共に歩んでいかなければいけない大切な友だ」

 外交部は、中国にマスク200万枚と500万ドルの緊急支援を発表した。文在寅大統領はインターネットなどで広まっている新型肺炎関連のフェイクニュースを厳しく取り締まることを指示し、「国民は政府を信じて過度に不安がらないでほしい」という特別メッセージを繰り返し発表している。