「ハイジ」でおなじみ、チーズで作る気軽な家庭料理

冬の南ドイツは「ラクレット」を囲んで

2020.01.10(Fri)佐藤 成美

溶かすといっそうおいしい

 ラクレットで使われるチーズもラクレットという。牛乳からつくったチーズで、表面は茶褐色で硬いが、中は黄色でクリーミーだ。癖がなく食べやすいチーズだが、独特の香りがある。そして何よりよく溶けるのが特徴だ。そのままでももちろん食べることはできるが、溶かすと一層風味が増しておいしい。

 ラクレットチーズの主な産地はスイスで、全生産量の80%を占める。中でも、ラクレット発祥の地、ヴァレー州で伝統的な製法で無殺菌乳からつくられたチーズは「ラクレット・デゥ・ヴァレ」(Raclette du Valais)とよばれ、AOP(Appellation d'Origine Protégée;原産地名称統制)に認定されている。これは高級だが、これ以外にもスイス各地やフランスでもつくられている。フランス産はスイス産に比べてやわらかくクリーミーであり、産地により風味に違いはある。

 そして、スイスからラクレットチーズをたくさん輸入しているのがドイツである。冬になると、塊のみならず、ラクレットグリル用に四角くスライスしパックしたチーズがスーパーマーケットにたくさん出回る。コショウやパプリカを混ぜたものなどちょっとアレンジしたチーズもある。たくさん並ぶチーズに、ドイツ人が気軽にラクレットを楽しんでいる様子が分かる。

ドイツのスーパーマーケットに売られているラクレットのパック食品。(筆者撮影)

ラクレットを試してみよう

 ラクレットは素朴な家庭料理で、簡単にできることを知って、試してみたいと思った。ラクレットグリルはインターネットショッピングなどで手に入るが、なくても工夫すればチーズを溶かすことはできるだろう。

 ただ、日本ではあまりラクレットチーズは売っておらず、手に入っても、現地の値段に比べてかなり高価だ。ゴーダやブリー、グリュイエールなど溶けるタイプのチーズならラクレットチーズの代わりになる。松の内も明け、お節料理に飽きたころ、とろとろチーズのラクレットを試してみてはいかがだろうか。

いかがでしたか?
JBpress をブックマークしましょう!
Twitterで @JBpress をフォローしましょう!
Facebookページ に「いいね」お願いします!

この連載記事のバックナンバー
トップページへ戻る