前述したように現在の綱領では、中国、ベトナム、キューバについて、「社会主義をめざす新しい探究が開始」され、「人口が13億を超える大きな地域での発展として、21世紀の世界史の重要な流れの一つとなろうとしている」と規定している。だがそれが実態に合致しなくなったというのだ。

 一般常識で考えれば、この間の中国やベトナムの経済発展は目を見張るものがあったが、根本的な体制の変化があったわけではない。それなのに志位氏はなぜ「大きな改定が必要」と言うのだろうか。

 志位氏の理屈はこうだ。

――中国、ベトナムなどの現状を評価する場合に、何よりも重要になるのは、それぞれの国の指導勢力が社会主義の事業に対して真剣さ、誠実さをもっているかどうかにある。

――ただし、中国やベトナムの国に住んでいるわけではないので、これらの国の指導勢力の真剣さや誠実さをはかる基準としては、対外的な関係――外部にあらわれた事実を評価するしかない。

 この基準に照らし合わせると中国は大きく変質してきたという。

「社会主義」と両立し得ない4つの問題

 志位氏は報告で4点について述べている。

 第1に、核兵器問題をめぐる問題である。

 中国はかつて核兵器禁止の国際条約を求めていたが、これに敵対する立場を取るようになってきたという。その時期は、志位氏によると「2008年から2009年ごろ、胡錦濤政権の最後の時期から習近平政権が始まる時期」(11月7日、綱領の一部改定案についての結語)だそうである。恐らく中国での核兵器開発が大きく進展したから態度を変更してきたのであろう。もともと核兵器開発に必死に取り組んできた国が核兵器廃止に本気で取り組むはずもない。

 第2に、東シナ海と南シナ海での覇権主義的行動である。

 中国公船による尖閣諸島の領海侵入、接続水域入域が激増・常態化している。他国が実効支配している地域に対して、力によって現状変更を迫ることは、国連憲章および友好関係原則宣言などが定めた紛争の平和的解決の諸原則に反するものだと指摘している。