(写真はイメージ)

(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

「桜を見る会」は廃止すべき

 内閣総理大臣が主催する公式行事の「桜を見る会」に、多数の安倍晋三首相の後援会員が招待されていたことが明らかになり、来年(2020年)は中止することが決まった。この問題を最初に暴露したのが共産党の機関紙である「しんぶん赤旗」日曜版であった。これが国会でも取り上げられた。

 この会への招待基準として、安倍内閣は「内閣総理大臣が各界において功績、功労のあった方々を招き、日頃の御苦労を慰労するとともに、親しく懇談する内閣の公的行事として開催しているものであり、意義あるものと考えている」と閣議決定した答弁書を出している。

 これでは基準がないのと同じである。恣意的な選定が可能だからだ。

 この会の公開された写真などを見ても、“このタレントがどんな功績、功労があったのだろうか”と思うような人が招かれている。ましてや安倍後援会から850人などというのは、あってはならないことだ。こういう安っぽいことを抑制する高潔さを保つのが首相という立場なのではないのか。

 私が参院議員時代に、招待があったのか、なかったのか記憶に残っていないが、招待状くらいは届いていたかも知れない。もちろん何の関心もなかったし、行きたいとも思わなかった。桜の花など新宿御苑に行かずともどこでも見ることができる。今年など1万8200人もの人が出席したそうだが、桜を見るのではなく、人を見るために行くようなものだ。こんなことのために数千万円もの貴重な税金を費消する必要はない。こんな会はそもそも廃止にすべきだ。