中国も駄目になり、ラテンアメリカも駄目になり、社会主義への展望や流れはついにほとんど消えてしまったというのが、今回の綱領改定提案なのである。

 志位氏の報告では、キューバについても、マドゥロ体制を支えていることに憂慮しているという。残るはベトナムだけである。ベトナムは、「『経済上・政治上の未解決の問題』を抱えつつも、社会主義の事業に対して『真剣さ、誠実さ』をもってのぞんでいる」と言う。

 もはや、社会主義をめざす運動は、「21世紀の世界史の重要な流れの一つ」でなくなってしまったのだ。「資本主義を乗り越えて新しい社会をめざす流れが成長し発展すること」が「大きな時代的特徴」などではなくなってしまったということである。

そもそも一党独裁国家を評価することが間違っている

 今回の綱領改定提案は、要するに21世紀の世界についての日本共産党による特徴付けが、ほぼ間違っていたということである。本来は、この誤りの根底に何があったのか、このことを厳しく自己分析することこそが日本共産党指導部の責任であろう。

 だが、もちろんそんなことをする政党ではない。それどころか志位氏は報告で、こういう規定することには「合理的根拠があった」と強弁している。その理由として、1998年に日中両共産党の関係正常化を図った際、当時の中国指導部が毛沢東時代の覇権主義的干渉の誤りを認めたこと。2003年のイラク戦争に反対したことを挙げている。これで、それまでの中国共産党への評価を一変させたのである。前者について言えば、日本共産党との関係だけのことである。後者はアメリカが仕掛けた戦争だから反対したのである。中国人民にも、日本国民にも何の関係もないことだ。

 そもそも一党独裁国家が国内では人権弾圧を行い、外に向かっては覇権主義に走ることは常識である。これこそが諸悪の根源なのである。「経済上・政治上の未解決の問題」などという中途半端な言い方ではなく、一党独裁体制を厳しく批判することこそ日本共産党の責任であろう。「社会主義」を名乗る国に対して、その批判ができないのが日本共産党ということである。