注目されない質問とその回答・・・私はそれに戦慄を覚えた

 記者たちの質問は投資疑惑と娘の不正入学疑惑に集中した。記者たちの質問に「妻がやった」、「娘がなぜ論文の第一著者となったのか私も知らない」、「ファンドには投資したが、ファンドがどこに投資したのかは知らない」、「(投資ファンド運用者である)親戚がなぜ海外に逃走したのかは私も知らない」、「娘が受け取った奨学金の基準は知らない」等々「知らない」という言葉ばかりが100回以上繰り返される様子に、生中継で会見を見守っていた多くの国民は失望したことだろう。

 曺國氏本人は朴槿恵前大統領が弾劾裁判の際に「知らない」という回答をしたとき、ツイッターに「被疑者朴槿恵、積み重ねられた証拠にもかかわらず、『知らない』や『違う』に終始した。拘束令状を請求するしかない」(2017年3月22日 ツイッター)と、批判していたのだが、いざ自身が被疑者になったら「知らない」とばかり回答し長官候補の座を降りる気配はなさそうだ。

 退屈な質問と「想定内」の答えばかりが続く中で発言権を得たある週刊誌の記者が少し変わった質問を投げかけた。以下に紹介するのがその内容だ。

記者:公職者は嘘をついてはいけない、そう考えますか?
曺國:はい。
記者:嘘をついたなら公職を退く意向がありますか?
曺國:嘘をついたら責任を取ります。
記者:その責任というのは(長官候補)辞退のことですか?
曺國:辞退とは言えませんが責任は取ります。

 まず記者は曺國氏に「嘘」に対する意見を聞いた。やや突飛な質問のように見えるが、これは記者が準備した質問の序章で、ここからが本題だった。