「悪い座り方」はなにが悪い?

 さきほどの「悪い座り方」を別の角度から見てみよう。

 座面に接している尾てい骨付近と、背もたれに接している肩甲骨付近や首だけで体の重さを支えているのがわかるだろう。

骨格模型で見るとこういう状態

 さらに、パソコンのモニターを見ようと顔を前につきだすと、背中は背もたれに触れていても、体重は分散されていない状態になる。この状態で足を組むとお尻の片側の一部分だけに、全体重がかかってしまう。

「悪い座り方」では、背骨にこんなことが

 理想的な座り方や姿勢ができている時、骨盤と背骨はテーブルと積み木の関係になっている。骨盤というテーブルが水平になっていれば、その上に重ねられた積木はぐらぐらすることなく安定的に立っている。

 しかし、テーブルが傾くと、積木は安定感を失ってしまう。崩れないようにするには、写真のように手で支えなければならない。その手にあたるのが腰回りの筋肉だ。

骨盤が後傾した座り方だと、積木が崩れないようにするため支えが必要に。実際には背骨や腰回りの筋肉に負担がかかることになる。
骨盤の上に重ねられた積木が崩れないような座り方なら、腰回りの筋肉に負担はかからない。

 そして、椅子と腰とは接していないから、筋肉ががんばって支えている状態を長時間、続けているわけだ。これでは筋肉痛になってしまう。