昭和31年、家庭のオムライスに入っていたご飯は?

「栄養と料理カード」でたどる昭和レシピ(10)オムライス

2019.08.23(Fri)三保谷 智子

チキンピラフは具入りソースがけ、チキンライスは炒り卵のせ――昭和47年

1972(昭和47)年9月号は「チキンピラフ・チキンライス」のカード。洋風炊き込みご飯2種を紹介。
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 チキンピラフは、具は玉ネギだけのシンプルなもの。いまではあまり見かけない料理で、ピラフに鶏肉や野菜の入った即席ドミグラスソースをかけている。

 チキンライスは材料も作り方も、さらに盛りつけの形まで昭和32年9月号とよく似ている。型で抜いて器に盛り、炒り卵をのせている。ここでは1人分の卵は2分の1個程度。

 チキンピラフとチキンライス。2つの言葉からは同じような料理を思わせるが、見た目も味もまったく異なっているのが興味深い。前者は、現在だったら「ピラフの即席鶏肉入りドミグラスソースがけ」と命名したいところ。ここでは牛肉ではなく鶏肉だが、ハヤシライスによく似ている。

平成期にはフライパンも進歩し、初心者にも簡便に

 時代は下って、平成期の本誌で基本料理として紹介したオムライスは、フッ素樹脂加工のフライパンを使い、溶き卵には塩、こしょうのみで油は加えていない。油を広げて溶き卵を流し入れて全体に薄く広げて焼き、半熟状になったらラップの上に広げ、チキンライスをのせて両手で形を整え、合わせ目が下になるように器に盛る。初心者でも失敗が少ない作り方を紹介している。簡便な作り方とその表記にむしろ驚く。

 いまでも玄人に鉄製フライパンは好まれるが、一般家庭では表面を加工したくっつきにくいフライパンが主流となっている。油ならしも不要で油の使用量も少なくて済む。鉄製フライパンは一生ものだが手入れが面倒という人も多い。価格も安くなったフッ素樹脂加工のフライパンの耐用年数は長くはないが、買い替えて活用しているのが筆者宅の実態だ。

 このフライパンなら料理技術は未熟でもオムレツ、オムライス、卵焼きなど卵料理がきれいに仕上がることを毎日のように経験している。調理器具の進歩もまた料理の作り方を変えているのだ。

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