当時は多額の借金も個人保証していましたし、1億円借りる時には、本当に毎回手が震えました。

 でも、全株を買い取って、新川商店から僕らの会社になった時に、経営のステージが変わったんだと思います。

 いつの間にか、「我々の店」「我々の会社」と言うようになっていた。「I」から「We」になって、「My company」から「Our company」になった。

 社員のため、という気持ちはもともとあったけれど、その意識がもっと強くなったと思います。

60歳で社長は辞める

 僕は42歳で起業した時に、60歳まで18年頑張る、そのあとは後継者に譲ると宣言しました。

 形は何でもいいんです。もし、僕が60歳になっても、まだしばらくいてほしいなら新社長とダブル代表取締役の会長になってもいいし、代表権のない会長でもいい。あるいは、たまに会社に来る相談役でもいい。

 創業者なので何らかの形で会社にはかかわり続けますが、その3つの選択肢から選んでくれればいい、とみんなに言ってあります。

 当然ですけど、後を継いでくれる人がいないと会社は成り立たない。