世の中は「吉本騒動」で大騒ぎだ。反社会勢力との〝闇営業〟で金銭を授受していながらも虚偽の弁明をしていたことなどの不祥事について、お笑いコンビ・雨上がり決死隊の宮迫博之やロンドンブーツ1号2号・田村亮が20日に会見。するとこれで急に風向きが変わってしまい、自らの会見開催を強く求めていた宮迫と田村に対して所属する吉本興業ホールディングス株式会社(吉本興業)の岡本昭彦社長が裏側で強く反対し、パワハラまがいの暴言を並べていた事実も新たに発覚した。
その上、同じく所属するダウンタウンの松本人志に促される形で今度は岡本社長が会見を開き、契約を解消した宮迫への処分撤回などを発表するも、企業のトップらしからぬ口下手な弁明と一貫性のなさに批判が集中。極楽とんぼの加藤浩次が「幹部が辞めないなら自分が退社する」とまで言い出し、一体何が論点なのかさっぱり分からないグダグダな騒動によって世は今も大きく振り回され続けている。
闇営業タレントのコンプラ違反がいつの間にかうやむやに
そもそもの過ちは言うまでもなく宮迫、田村ら〝闇営業〟にかかわった所属タレントたちが反社会勢力から金銭を授受していたことに加え、金をもらっていながら「ノーギャラだった」とウソをついていたことだ。これがいつの間にか論点は大きくずれ、吉本興業・大崎洋会長と岡本社長のマネジメント能力が問われる形となり、宮迫と田村ら〝闇営業タレント〟たちの犯したコンプライアンス違反がうやむやになりつつある。よく分からない流れだ。
そうした中でも、ひとつだけハッキリとしているのは、それまで飛ぶ鳥を落とす勢いだった吉本興業のイメージが急落したということである。これにダメージを受けているのは、何も同社でお笑いに関わっているスタッフや芸人たちだけではない。吉本側とスポーツマネジメントの面で関わる人々も同じように肩身の狭い思いを強いられつつある。