広々としたサッカー場。周りは畑や木々に囲まれた静かな郊外。のんびりとした風景だが、この真下にはこのような空間が広がっている。

「地下神殿」と呼ばれる巨大な地下空間

 ここは「地下神殿」という異名を持つ巨大な地下空間だ。新聞やWeb記事などで見たことがあるかもしれない。土木建造物にときめく“土木萌え”ならもちろんご存じだろう。

 広さは177m×78mでサッカーのフィールド(ピッチ)より少し大きい。天井までの高さは18mで奈良東大寺の大仏(約15m)も収まる。約67万m3、東京ドーム半分ほどの水を貯めることのできる空間である。と言われても実感しにくいと思うので、人物を含めた写真を見ていただこう。

奥行き3分の1程度の位置に立つ説明員もずいぶん小さく見える

 これまでも見学会は開催されていたが、今年(2019年)3月から週末も含めて毎日実施されるようになったほか、見学コースが充実し施設の深部まで見に行くことができるようになった。見学は毎日複数回実施され、参加しやすさも大幅に向上した。実際に3つのコースすべてを体験したので、その非日常な“土木世界”を2回に分けて紹介しよう。