水を流しても江戸川があふれないのはなぜか。一つはもともとの流量が多いので多少の増水には耐える余地があること。もう一つは、増水するタイミングが中小河川と異なるためだ。江戸川の水位が大きく上がるのは、利根川上流に降った雨がゆっくりと集まってきた後である。そのころには江戸川への排水が終わっている。

さらに“ディープ”な世界へ

 調圧水槽内部で多くの柱に見とれたあと、後ろを振り返るととても大きな開口部がある。これが第1立坑だ。ここから調圧水槽内に水が流れ込んでくる。

調圧水槽から見た第1立坑

 3つの見学コースのうち、一番気軽に参加できる「地下神殿コース」は「地下神殿」である調圧水槽内部の見学がメインだ。一方「ポンプ堪能コース」「立坑体験コース」はさらに施設の深部まで潜入することができる。

 後編ではポンプと立坑という、さらに“ディープ”な世界を紹介する。
この足下の恐怖にあなたは耐えられるか?
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/56243

首都圏外郭放水路見学の概要
 見学コースの内容確認や予約はWebサイト(http://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/)で行える。

 見学コースは「地下神殿コース」(約1時間)、「ポンプ堪能コース」(約2時間)、「立坑体験コース」(約2時間)の3つでいずれも有料。後者2コースは地下神殿の見学も含まれているので、別に「地下神殿コース」を申し込む必要はない。

「地下神殿コース」は毎日複数回実施されているので比較的参加しやすい。「ポンプ堪能コース」と「立坑体験コース」は実施日が限られていて、しかも1日1回のことが多く、1~2週間先の予約は埋まってしまっていることが多い。参加するときは早めに予約を。