河川の水を貯めて洪水を防ぐ
この施設は全体を「首都圏外郭放水路」といい、川を流れる水の一部を貯め、別の川に流すことによって洪水を起こりにくくし、被害を軽減するためのものだ。
全体像を見るには断面図が役立つ。
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豪雨などで5つの河川が一定の水位を超えると、水は堤防を低くした部分から地中に掘られた「立坑(たてこう)」に流れる。5つの立坑は水平なトンネルでつながっていて、水位が上がると「調圧水槽」にも流れ込む。実はこの調圧水槽の内部が上記の写真なのだ。
調圧水槽にたまった水は、インペラと呼ぶ巨大な羽根車で汲み上げて近くを流れる江戸川に排水する。江戸川は利根川から中流で分かれ、千葉県と埼玉県、千葉県と東京都(江戸川区)の境を流れて東京湾に注ぐ一級河川だ。
立坑と調圧水槽に水を一時的に貯めることで、河川があふれて洪水になることを減らすことができる。
さあ地下神殿へ!
では調圧水槽にご案内しよう。
調圧水槽の入り口は地味だ。そうと知らなければ、グラウンドの用具置き場と思うほどだ。普段は施錠されている扉を開けると、すぐに地下に降りていく階段が続く。