空自F35A戦闘機、尾翼の一部回収 「墜落」と防衛相

航空自衛隊のステルス戦闘機「F35」。陸上自衛隊朝霞駐屯地の朝霞訓練場で行われた自衛隊観閲式で(2018年10月14日撮影、資料写真)。(c)Kazuhiro NOGI / AFP〔AFPBB News

 青森県にある航空自衛隊三沢基地に配属されていた次期主力戦闘機の「F35-A」が4月8日、訓練中に海上に墜落した。

 日本は今後、105機を導入する予定の戦闘機である。この戦闘機は、ステルス性能を保持した最新鋭戦闘機であり、そして今世界のF35-A取得契約国に配分されつつあるところだ。

 取得国などは今回のF35-Aの墜落に至った経緯を注視しており、とりわけその事故原因とその対応は厳しく追及されるであろう。

考えられる墜落の原因

 どのような訓練を実施していたのだろうか。私(岩切成夫)が飛行隊に在籍していた経験に基づいて説明する。

 4機編隊の夜間飛行訓練とは、基本的には2機対2機の要撃戦闘訓練であり、上下に移動する激しい動きは実施せず、編隊の連携を取りつつ敵を発見・識別し、攻撃して撃墜する通常の訓練であったと思う。

 正式な事故原因は防衛省の事故調査委員会の発表を待たねばならない。

 現段階で考えられるF-35A戦闘機墜落の主な原因には一般的に次の3つが考えられる。

(1)エンジントラブルや操縦不能など機体の不具合によるもの
(2)空間識失調や誤操作による人的過誤によるもの
(3)被雷など天象気象によるもの

 このうち、事故原因として可能性が高いものの、一般の方にはなかなか理解しにくい「空間識失調」(バーチゴとも言う)について、パイロットの体験を踏まえ説明する。