アルコールとカフェイン、代謝のされ方の違いに注意
――お酒を飲んだとき、コーヒーなどで酔いを覚まそうとする人もいます。アルコールとカフェインの関係性をどう見たらよいでしょうか。
栗原 この組み合わせについて考えるのは重要です。実際の組み合わせ方として、「同時摂取」「アルコール摂取から少し間を置いてカフェイン摂取」「アルコール摂取の翌朝にカフェイン摂取」の3つで考えてみます。
まず、同時摂取の場合、アルコールは脳の働きを下げ、カフェインは逆に脳の働きを高めるので、これらの作用を打ち消し合います。
アルコールとカフェインの作用は、ともに摂取30分後にピークとなりますが、考えるべき問題はその後のことです。
――と言いますと・・・。
栗原 アルコールとカフェインでは代謝の仕方が違うのです。カフェインの摂取量は「ミリグラム」単位であるのに対し、アルコールの摂取量は「グラム」単位。アルコールのほうがなかなか分解されません。500mLの缶ビール1本でも3時間は体内に残ります。2本だと6時間、3本だと9時間と、アルコールの血中濃度が高い状態が続きます。だから、前夜に飲酒すると、翌日のアルコールチェックで引っかかるのですね。
一方、カフェインの血中濃度は「3~4時間後にはピークの半分まで減る」と言いました。ですので、同時に飲み始めて、「今日は酔いにくいみたいだ」などとアルコールをどんどん摂取してしまうと飲み過ぎになり、その後アルコールの作用が強く出て危険になるわけです。急性アルコール中毒のリスクがあるのですね。