「フェイクニュースの氾濫」でまともな判断が不能に

 著者は「1016年オリンピック」説を他の様々な問題の解決に適用しようとしている。

 「地球は今退歩し、衰退しようとしていると言われている。世界で起こっている暴力件数は減少しているにもかかわらず、死亡者数は年々増加している。不正義に対する憤りが爆発しているからだ」

 「社会が複雑化する中で、いったい我々はまともな決断を下せるだけの十分な情報を得ているのだろうか」

 「分からないとその道のエキスパートに頼らざるを得ないが、彼らとて一般大衆に阿ねているのではないだろうか」

 「集団思考と個々人の無知という問題はただ単に有権者や消費者に限ったものではない。国政をつかさどる大統領たちや大企業の最高経営責任者(CEO)についても言えるのだ」

 フェイクニュースがフェイクニュースを生む現代。その繰り返しの中で「真実」はどこかへ葬り去られてしまう。我々はこの状況下でどうしたらいいのか。

 著者はこう助言している。

 「第1は情報を入手するにはカネがかかる。タダで得た情報は要注意だ。情報はカネで買え」

 「2番目には得た情報の信憑性をチェックするにはそれに関する科学的な文献を読むことだ」