こちらも夫・妻ともに過去最低となりました。特に妻側で減少が大きく、1988年から半分以下に減り、50%以上ある夫のスコアとの隔たりもこれまで以上に大きくなっています。考えられるのは、共働き世帯が増加し、経済力が高まった(=経済面で夫への依存度が低くなった)ことで、「離婚したって、自分の力で生きていける」という自信を深めた妻たちの増加。
そしてもうひとつ、離婚率が高止まりしている近年の状況下で、身近に離婚を選択した人たちがいることがごく当たり前になってきているという環境の変化も挙げられるかと思います。
「家族調査」では回答者の本音を引き出すため、夫と妻とで別々の調査票を用意し、互いの回答を見ることができないように配慮をしています。それゆえに、お墓や離婚のことなどセンシティブな事柄でも答えやすくなっているのですが・・・。同一世帯の夫婦間でもここまで離婚に意識差があり、何かあれば「離婚OK」な妻たちが増えているという状況に、少し複雑な気持ちになってしまいます。
さて、ここまでの調査結果を改めて振り返ってみると、
「結婚や子どもの有無は、一人前かどうかとは関係ない」
「結婚したからといって、一緒のお墓に入らなくたっていい」
「結婚したからといって、何が何でも夫婦関係を続けなくたっていい」
・・・そんな考え方が次第に高まっているようです。
結婚にまつわるさまざまな事柄は、社会規範的な「すべきこと」の領域から「個人の選択」の領域へ。30年という月日の経過は、生活者の意識を着実にシフトさせていることがうかがえます。
自分たちの不倫は許さない、誠実な夫たちが増加?
最後に、こんなデータを紹介します。「家族調査」では夫婦の倫理観に関する設問にも夫と妻それぞれに答えてもらっています。興味深かった項目としては・・・