オーナーよりも、CEOよりも高額の次長

 法改正で、これまで公開されなかった報酬の公開も相次いだ。

 証券大手、韓国投資証券の30代後半の次長は、22億2998億ウォンを得た。給与は1億ウォンだったが、巨額の賞与を得た。実績主義の証券会社らしい報酬体系のおかげだ。

 この次長の場合、自分が開発したデリバティブ証券商品が大ヒットした。この成功報酬を得た。

 ほかにも、SK証券でも部長2人がそれぞれ、8億ウォン台、7億ウォン台の報酬を得た。KTB投資証券では課長が7億ウォンを超える報酬を得るなど、証券業界では、役員でなくとも多額の成功報酬を得ていた例が明らかになった。

 また、インターネット関連の代表企業であるカカオのリーダーもストックオプションを行使して50億ウォン近い報酬を得た。こうした例は、今回の法改正がなければいずれも公開になることはなかった隠れた高額所得者だ。

 ちなみに、同社のオーナーは13億ウォン、CEOは20億2800万ウォンで、韓国メディアは「オーナーやCEOより高額報酬を得た次長」として大きく報じられた。

 これまで、オーナーが「登記役員」に就任してこなかった場合も、今回から報酬公開になった例が多い。

新世界グループのオーナー報酬も公開

 流通大手、新世界グループの会長で、サムスングループ創業者の娘である李明熙(イ・ミョンヒ=1943年生)会長と夫は、揃って19億9000億ウォンを得た。長男の副会長は17億3700億ウォン、長女の総括社長は14億6100万ウォンだった。

 CJグループのオーナー会長の報酬(23億5000万ウォン)も初めて明らかになった。

 ストックオプションで10億円以上の報酬を得た例を除くと、韓国企業の報酬額がそれほど巨額であるわけではない。

 オーナーでもせいぜい、半期で5億円程度だ。オーナーの場合、有力企業の株式を大量に保有している。

 李在鎔副会長の父親である李健熙(イ・ゴンヒ=1942年生)会長は、2016年に1900億ウォンの配当金収入があった。オーナーの場合、報酬よりも、配当金がけた違いに多い例も少なくない。