7月16日、フィンランドの首都ヘルシンキで米露首脳会談が行われた。
2017年に米国でドナルド・トランプ政権が発足して以降、トランプ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が顔を合わせるのはこれが3回目となるが、2国間での会談は初めてである。
だが、その成果となると極めて乏しいものであった。
唯一期待されていた核軍縮条約の延長だったが・・・
米露関係悪化の端緒であるウクライナ問題に関して米露の立場が大きく隔たっている以上、これを契機として米露関係が簡単に改善するはずはないというのが当初からの観測ではあった。
しかしながら、具体的な合意が何一つ結ばれなかったことは、改めて米露関係の難しさを印象づけるものであったと言える。
こうした中で一つだけ期待されていたのが米露核軍縮条約の延長合意だが、蓋を開けてみればやはりこれも合意には至らなかった。
では、米露核軍縮条約とはいかなるもので、何が期待され、なぜ合意できなかったのか。
以下の本稿では、核軍縮の観点から米露首脳会談を読み解いてみたい。