こうしたことから済州島出入国・外国人庁は、2回に分けて説明会を開き、島内の人手不足が激しい漁業、養殖業の雇用主と難民支援者が出会える場を設けた。

 原則的に難民申請後、6か月以内に就職はできないが、済州島イエメン難民申請者たちは緊迫した状況だということを考慮して、出入国管理法第20条に基づき就職活動を許可した。

 済州島内の宗教・社会団体・進歩政党など、33の団体は「済州難民人権のための凡島民委員会を結成し、イエメン難民申請者たちのための支援と連帯活動を繰り広げる予定であると27日に明らかにした。

難民に一役買うマスコミ

 凡島民委員会は、「文在寅政府は、迫害の危険を避けて韓国に来た難民に関して国際人権基準に応じた立場を表明し、難民政策と人種差別、嫌悪防止に対する中長期計画を樹立しなければならない」とし、

 「さらに、これと関連した透明な情報提供によって国民の一部の憂慮を解消し、迅速な難民審査を通じて脆弱な難民たちが不安定な状況の中で長期待機することがないようにしなければならない」と促した。

 済州島のウォン・ヒリョン道知事に対しては、「平和を求めて済州島にやって来た難民たちの人権に基づいた保護方策と難民も共にする島民社会統合に関して真摯で責任ある行政をしなければならない」と要求した。

 凡島民委員会は、今後難民に対する法律的な検討と医療支援、労働相談などを進める計画だ。

 マスコミも難民たちのために一役買っている。例えば、「イエメン難民がバスで拾った現金67万ウォン(約6万7千円)入りの財布を警察に届けた」の美談をインタビュー写真つきで掲載している。

 だが、それにもかかわらず30日には済州難民対策島民連帯が「イエメン難民収容反対のためのロウソク集会」を開催した。これに参加した人たちは、難民法の改正と済州ノービザ滞在制度廃止などを促す予定で、警察に申告された人数は100人だ。