昨年韓国の広告業界をにぎわしたコピーは、「YOLO」であった。YOLOとは、「You Only Live Once」を略した言葉で「人生は一度きり、今の自分の幸せを一番に考えよう」という意味である。
将来に備えてチマチマと貯金したりせず、今が楽しいことをしようという風潮であった。その裏には、親の世代とは違った環境に対する反発もあった。
親の世代はみんなが貧しかったし、金利も高かったので一生懸命働いて貯金をすればまとまったお金になった。
しかし、今の預金金利ではいつまでもまとまったお金にならない。マイホームも夢のまた夢だ。そうなると、将来を見据えて何かをするのがバカらしくなる。
一度きりの人生を謳歌しよう!
だから、今を精一杯楽しもうと「YOLO」を謳ったわけだ。
しかし、YOLOもよく考えてみるとお金なしではできない。現在就職難に悩む就活生や親の世代より非正規職の多い若者たちはそんなYOLOさえ贅沢なことだということに気づいた。
そして、行きついたところが「小確幸」である。
「小確幸(しょうかっこう)」は村上春樹の造語で、『小さいけれども確かな幸せ』という言葉の略語だ。