前回の記事(「米国の大学がゴールとして掲げる最強の動機付けとは」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53194)で、いろいろな種類の動機付けの中で「イントリンシック・モチベーション」(Intrinsic Motivation:内在的な動機付け)が最上の動機付けであるということを書きました。イントリンシック・モチベーションとは、「やむにやまれぬ関心」「心の底からの興味」のことです。

 それでは、そうしたやむにやまれぬ興味・関心はどうやって出てくるものなのでしょうか?

ロジカルシンキングだけでは競合に勝てない

 結論を述べると、筆者は「見えない世界」に関心があるかどうか、が非常に重要だと思っています。

 企業の経営戦略は、ロジカルシンキングだけで論理的に客観的に導き出されるものではありません。もしも論理的に誰が見ても正しい戦略、細部まで詰めることのできる戦略があったら、ほかの競合他社がやっているはずです。結局、最後はみんながそれに飛びついて差別化ができなくなります。

 経営の世界では、実はロジカルシンキングで論理的に判断するだけでは判断を誤ります。日本企業の衰退パターンの一番典型的なものは、社内の多くの部門の大人数の合意を優先して陳腐な戦略をとり続け、業界横並びでジリ貧になるというものです。