さまざまな種類の動機付けの中で、最も強力で望ましいとされるのが「イントリンシック・モチベーション(Intrinsic Motivation)」です。

 イントリンシック・モチベーションは直訳すると「内在的な動機付け」ということになります。これだけでは分かりにくいのですが、要するに自己の興味や好奇心、情熱による行動のことを指し、「やむにやまれぬ関心」「心の底からの興味」というような意味になります。

 たとえばスポーツ選手が、何か賞をもらうためではなく、楽しくてしょうがないからひたすらゲームに没頭する、という状態がこれに当たります。つまり、自分の興味・関心の追求や、活動すること自体に喜びを見出すことです。

 この状態では、自分の外(名声を得たい、おカネが欲しい、など)では無く、自分の中に動機があることになるので、人間は自立した存在となります。好きで仕方がないことをどんどんやるので、極端に高いパフォーマンスにつながると言われています。

 はたから見ると、既に大成功していて、もう何もやる必要もないような人が、仕事やスポーツ、創作活動で努力し続けるのは、こういう境地に達しているからです。

モチベーション・フレームワークの4段階

 無気力・無関心な状態から、イントリンシック・モチベーションが高い状態へと動機づけを進化させるときの枠組みを「モチベーション・フレームワーク」と言います。それは以下の4つの段階に分けられます。