(1)無気力・無関心 → (2)アメとムチ → (3)自律的規制 → (4)内在的な動機付け

 それぞれがどういう状態なのか見ていきましょう。

(1)無気力・無関心

 そのものずばり、基本的に何にもやる気がしない、目的レス、動機レスの状態です。こうした人の潜在人口は、実は結構大きいと言われています。

(2)アメとムチ

 エクスターナル・レギュレーション(External Regulation:外部的規制)といわれます。直接的な利得のための動機付けであり、世の中で最も頻繁にみられます。今月の営業目標を達成してボーナスをゲットしたい、とか、単位が欲しいので勉強する、というのがこれに当たります。サボれば干されるから努力する、という類の動機付けです。

(3)自律的規制

 最上の動機付けがイントリンシック・モチベーションだとすれば、次善の段階としては、アイデンティファイド・レギュレーション(Identified Regulation:自律的規制)ということになります。

 タスクの価値を認識し、自律的に行動すること、つまり自分のゴールの達成について何かのタスクの重要性を認識し、それをやり切るという規則を自分に課すことを指します。

 今遊びたいのをガマンして練習すると、練習自体には喜びは見出せなくても、それにより目的が達成できるため、より高い水準の喜びを将来得ることができます。つまり、直接の、すぐにもらえる褒美によっての行動ではなく、自分の将来のゴール達成のために価値あるものと自分で納得した行動をとる、ということになります。

 スポーツでいうと、全国大会に出るメンバーに選ばれたいので、実力をつけるために、女の子とのコンパに行くのをやめて毎日筋トレやランニングをして厳しい練習に耐える、ということになります。

(4)内在的な動機付け

 最高の境地が、このイントリンシック・モチベーション(内在的動機付け)です。自分の興味・関心や、活動することによる喜びを指します。この状態では、自分の中だけに動機があるので、人間は自立した存在となり、高いパフォーマンスにつながります。