メールでのコミュニケーションから、チャットでのコミュニケーションに変えたことで起きた大きな変化は、対話の頻度が上がったことと、悩む時間が減ったことです。

 メールだと、それなりの長文を送り合う感じになってしまいます。相手に誤解されないようにと、しっかり考えてから送るため時間がかかります。

 同じことでも実際に会って話をしてみると、相手の反応を確認しながら伝えられるため、非常に楽になります。だから話をするのが一番ですが、相手がその場にいないとできないのが難点なのです。そこでチャットです。スマホを使えばどこからでも、会話するようにコミュニケーションできるのは、とても効率的です。

 その延長上で導入したのがテレビ会議です。チャットもテキストを使ったコミュニケーションなので、やはり打ち込む前に考えてしまう人もいます。口頭での対話ならスムーズに話ができる人も多いでしょう。

 まずはチャットで声をかけてやりとりして、まどろっこしくなったらテレビ会議をつなぐスタイルです。今なら立派な機械や高価なソフトは要りません。スマホからでもノートPCからでも、簡単にテレビ会議ができます。私たちのおすすめは、Zoomというツールです。40分までなら無料で使うことができます。

離れていてもチームワークを発揮する文化をつくる

 資料などをクラウド化してペーパーレスを実現し、どこにいても気軽にコミュニケーションできるチャットやテレビ会議を導入すれば、社内の業務はかなり効率化されます。

 これでテレワークを始める準備が整いました。数日間オフィスに行かなかったり、社員が地方に移住したとしても、それなりにうまくいくはずです。しかし、長くやっていれば問題が出てきます。

 やはり物理的に離れて、顔を合わせずに働いていると、孤独感を感じてしまいます。自分ひとりで働いているんじゃないかという気持ちになるし、気軽に相談するにも気が引けてくるでしょう。チームワークが落ちてしまうのです。

 私たちが取り組んだのは、一緒に働いている互いの様子を「見える」ようにするということでした。普段はノートPCを使って仕事をしているので、その備え付けのカメラを使って、仕事中の様子を撮影して共有するツールRemottyを導入しました。