「特定の場所にいる人たちへ知らせなければならない気象情報をタイムリーに提供する」と語るウェザーニューズの石橋知博執行役員

 気象情報サービス大手のウェザーニューズとKDDIは2018年3月、屋外で活動する作業者の安全を守る「屋外作業現場向け安全管理ソリューションサービス」の実証実験に乗り出す。小型の気象センサーを使い、観測した局所的な気象データに基づいてゲリラ豪雨や雷の接近を高い精度で予測し、天候の急変が迫るエリアにいる作業者のスマートフォンにアラートを送る。建設工事やマンションの大規模改修など屋外の作業現場単位で正確に気象の変化を予測し、安全管理に役立てるためだ。

 ウェザーニューズは2017年7月、高い精度の局地的な気象予測モデルを開発し、本格運用を始めた。従来の予測モデルでは5kmメッシュだったきめ細かさを、1kmメッシュへと25倍に細密化。加えて、予測の更新頻度を従来モデルの1時間から5分間に縮めるなどして、天気予報の精度を平均3.3%、最大4%高めた。

 今回の実証実験では、この1kmメッシュの予測モデルと、小型気象センサーから収集した作業現場の気象データを組み合わせて気象を予測する。そうすることで、さらに細かいピンポイントで、危険性のある天候の急変を高い精度で捉えられるようになる。

増えるゲリラ豪雨、高まる屋外作業の気象リスク

 新サービスに乗り出した背景には、被害をもたらす急激な天候の変化がこのところ目立って増え、屋外作業における気象リスクが高まってきたことがある。