キャッシュレス社会への期待は男女で差がある?

 私の在籍している博報堂生活総合研究所は、1981年の設立から現在に至るまで、「生活者発想」に基づいて生活者の行動や意識、価値観とその変化を見つめ、さまざまな研究活動を行っています。

 前回に引き続き、世の中で生じている事象に対して、研究所に蓄積された研究成果やそれらに基づく独自の視点により考察を加えてまいります。読者の皆様にとって、発想や視野を広げるひとつのきっかけ・刺激となれば幸いです。

キャッシュレス社会への賛否は拮抗

 1月も半ばを過ぎればもうすっかり平常運転モードですが、この年初を思い返すと、年初には、地元やお住まい近くの寺社仏閣に初詣に行かれた方も多いのではないでしょうか。お賽銭箱に向けてお金を投げ入れつつ、今年一年の無病息災や大願を祈念する・・・というのが一般的な初詣のスタイル? かと思います。

 そんな中、東京都内にある愛宕神社では、数年前から“キャッシュレス”でお賽銭できる端末を設置しているそうです(日にちを限定しての実施)。金額を適宜入力して電子マネーをかざせば「シャリーン」という音とともに決済が完了し、お賽銭ができるとのこと。

 クレジットカードやデビットカード、電子マネーなどいわゆるキャッシュレスでの決済手段。飲食店舗など、さまざまな所で利用できるようになってきましたが、神社のお賽銭もキャッシュレス対応というのは意外性があり興味深いものがあります。

 さて、そんな「キャッシュレス」。生活者の考え方はいったいどうなっているのでしょうか。

 博報堂生活総合研究所では現在、「お金の未来」をテーマとした研究を進めています。生活者のお金と幸せのありかたやその未来像などを展望するべく、昨年からさまざまな調査を行なってきました。