来年はどんな1年にしていこうか。

 私の在籍している博報堂生活総合研究所は、1981年の設立から現在に至るまで、「生活者発想」に基づいて生活者の行動や意識、価値観とその変化を見つめ、さまざまな研究活動を行っています。

 前回に引き続き、世の中で生じている事象に対して、研究所に蓄積された研究成果やそれらに基づく独自の視点により考察を加えてまいります。読者の皆様にとって、発想や視野を広げるひとつのきっかけ・刺激となれば幸いです。

来年の景況感見通し、悪くはないが好転もせず

「今年も残すところあとわずか」・・・とは、使い古された言い方ですが、本当に今年も残すところあとわずかになりました。世界的にも、また日本国内でもさまざまなことが起こった一年だったと思いますが、ゆっくり振り返る間もないまま、もうすぐ2018年はやってきます。「来年の話をすると鬼が笑う」・・・これまたよく言われるフレーズですが、そうも言っていられないのがビジネスパーソン。来年に向けて動いている方も大勢いらっしゃると思います。

 博報堂生活総合研究所では先日、「生活者にきいた2018年生活気分」を発表しました。これは毎年秋に翌年の景況感や楽しさ予想、力を入れたい生活行動など、翌年の動向について、全国の20~69歳男女3900人に予想してもらう調査です。2015年から実施していましたが、このたび2017年の調査を加え、3回分の予想の結果を比較分析。“2018年 生活気分”としてまとめました。

 来年に向けて、生活者は今どのような気分や展望を抱いているのか。2018年に皆さんが仕事を進めていく上で、発想のヒントや視野を広げるきっかけとなれば幸いです。

 まずは、生活者が考える「2018年の景況感」を見てみます。景況感については、「世の中の景気」と「自分の家計」それぞれについて、どうなっていきそうかの予想を答えてもらいました。