IoT(Internet of Things:モノのインターネット)がさまざまな場面で活用され始め、BtoB、BtoCそれぞれで多様なビジネスが展開されている。
その中で、住居を対象としたIoT、すなわち「ホームIoT」は、BtoCビジネスの可能性を大きく広げられる領域として、住宅メーカー、家電メーカーなど幅広い業種の企業が技術を競っている。
通信キャリアとしてホームIoTを展開しているKDDIもその1社だ。同社は2017年11月にホームIoTサービス「au HOME」の内容拡充と、多業種とのコラボレーション型サービス「with HOME」を発表した。
それらのサービスはどのような戦略に基づいているのか、また今後のIoTビジネスはどう変わっていくのか。KDDI 商品企画本部ホームアライアンス企画部 部長の早瀬聡(はやせ・さとし)氏に、その狙いを聞いた。
ユーザーの声が育てていく
――「au HOME」では、通信キャリアということで、接点をスマートフォンに置いていると思いますが、その利点や課題を教えてください。
早瀬聡氏(以下敬称略) これまで、スマートフォンは人と人とのコミュニケーションの間にありました。今回、ホームIoTで実現しようとしているのは、ユーザーがスマートフォンを通じて家とコミュニケーションすることです。
現在、スマートフォンは人と不可分なものになっていて、自分、つまりスマホの持ち主の状態をよく知っています。たとえば位置情報とか、どんなアプリを使っているとか、どんなサイトを閲覧したとか、何時にコミュニケーションしたとか。その情報を家に伝えてあげることで、家が自分のことを知っているという状態が出来上がります。そのように、単に遠隔操作という次元よりも、もう1段高いところを我々は目指しています。