安倍晋三首相が解散・総選挙を決意した。
民進党や共産党、そして都政の合間に新党結成にも関わっている小池百合子都知事らは、解散に「大義がない」と声を大にして叫んでいる。与党の一部からもこの時期の解散の意味が分からないとの声もある。
北朝鮮をめぐる緊迫した情勢を考えると、「そんな余裕があるか」との譴責のようにも聞こえる。しかし、よく耳を澄ますと、安倍嫌いや政局にしたい一念からの言いがかりでしかないようだ。
日本の上空を北朝鮮のミサイルが飛び、またEEZ(経済的排他水域)内に落下する現実に直面し、Jアラートが鳴り響いても、国民は何を行い、どこに避難するか分からないで戸惑っている。
いまこそ、9条のままで日本の安全、国民の生命は守りうるのか、真剣に議論しなければならない。解散に「大義がない」と本当に思っている政治家、そして政党は、あまりにも「鈍感」である。
一方、総選挙への準備ができていない本音隠しであるならば、拉致被害者も含めた国民の安全を無視する党利党略的発言でしかないわけで、「無責任」の誹りを免れない。
いまこそ、「9条があるから日本を攻めてくる国などあるはずがない」との主張や、「安保法制は戦争法だ」と言った批判が正しかったのか、国民の審判を仰がなければならない。
9条が日本の守り神とならない日
6か国協議での核とミサイル問題、そして日朝間の拉致問題は、北朝鮮の欺瞞的な交渉姿勢に翻弄されて二進も三進もいかないうちに、北朝鮮は核弾頭搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を配備しようとしている。
尖閣諸島は国有化以来、何一つ手が打てないだけでなく、領海侵犯は日に月に頻度を増し、あたかも中国の領土かと思わせる状況で、漁民たちは生活の場を失いかけている。
日本は戦争しようなどとは思っていない。その手段としての軍隊も保有しないと規定した憲法9条があっても、日本の領土を侵略する国は存在する。
話し合いをしようにも、相手は武力を背景にして威嚇してきている。日本に力がなければ一方的に侵害されるだけである。